倉庫の立地はその良否が将来の営業に大きく影響するので、よく検討する必要があります。
倉庫の立地は、現在のように、港湾・道路・鉄道などの輸送施設が急速に整備され、また輸送体系が変化しつつある現在においては、きわめて流動的な要素が強いのです。倉庫の理想的な立地を一般的に.いえば、港湾・幹線退路・鉄道とよく連動していて、しかも荷受先が近いこと、地価が安いことなどが挙げられます。このような適地は、今後ますます入手しがたい状況になっているので、比較的交通の使がよく地価の安い臨港埋立地や都市近郊に整備される流通団地などが、倉庫立地の対象となってきているようです。
倉庫立地を決める場合は、ところで、具体的に立地条件を検討し、法律上の制約もあらかじめよく調査しておくことが必要です。敷地と建物との間に関する主なものとしては、まず建築基本法があります。すなわち、図法に基づき、地域として商業・工業・塾工業・居住などの別が定められており、また、地区として防火・準防火・防火未指定などの別が規定されているのです。敷地が建築基準法上どれに該当するかにより、倉庫の建設が可能かどうか、また、敷地面積の何割まで建築可能であるか、構造上防火制限はどの程度必要であるかが、決定する要因となってきます。なお、道路の幅員は、多階建ての場合、その建物の高さに関係するので、よく調査しておくことが必要です。
倉庫立地で、次に敷地との関係で重要になってくるのは都市計画法です。すなわち、都市計画による計画線に予定敷地がかかっていないかどうか、また、都市条例などによって特殊な地域に指定されていたかどうかなどを、よく調査しておくことが敷地選定上とくに重要です。
倉庫は立地や保管饌能によってそれぞれ特色を有しています。例えば、地価の非常に.高い大都市に建設される倉庫は、土地を有効に活用するため、一般に多階建で鉄筋コンクリートづくりとなっており、地方都市周辺の倉庫は保管容積が大きく、荷役が容易な平屋建て鉄骨建築が通常となっています。また、荷役を容易にするため出入口を大きくして,自動車が直接市内に入れるようにたったものや、輸送のユニットロードシステムに対応して、コンテナやパレットに貨物を載せたまま、数段階に保管するいわゆるラック倉庫も普及してきています。