倉庫保管の種類―形式による分類

倉庫保管はその形式により事業場内保管と事業場外保管の種類があります。事業場内保管とは、倉庫業者が自分の事業場である倉庫で、貨物の引き渡しを受け、そこに保管するものです。これは原則として、不特定多数の荷主を対象として貨物を保管するもので、ごく通常の業務内容といってよいでしょう。なおその際、使用する倉庫は所有率で転借庫でも良いことになっています。

倉庫保管でも、一方の事業場外保管とは、倉庫業者が自己の事業場以外の倉庫で貨物の寄託を引き受け保管するものです。これはさらに再保管と出保管とに分けることができます。倉庫において再保管するということは、倉庫業者が庫腹の不足や保管用特殊施設の不備、庫腹操作上の必要などのため、寄託者の承諾を得て、寄託物の保管を他の倉庫業者に委託する形式のものです。民法に許されていることは明記されており、これによって倉庫業者は寄託者の承諾を得れば再保管が可能なとなっているのです。この場合、倉庫業者は元請けとして、再保管引受者の選任と監督について、寄託者に対し責任を負うことになっています。

倉庫で出保管するということは、倉庫業者が特定の寄託者のために、その寄託者の倉庫を借庫し、その倉庫の保管貨物を出向いていくことによって、保管する形式のものです。これは、主に寄託者の金融上の必要から行われているようです。すなわち、商社やメーカーが自家用倉庫を所有していて、その倉庫の保管商品について金融を受けたい場合に、商社やメーカーは、その自家用倉庫を発券倉庫業者に賃庫して、倉庫業者の出保管とし、その倉庫の在庫品について、倉庫業者から倉庫証券の交付を受け、これを担保として金融機関から融資を受けることが可能になるのです。

倉庫保管の中でも、出保管に.よって、商社やメーカーは、金融の便が受けられるだけでなく、その商品を倉庫業者のところまで運搬する費用や荷役費の支出を抑えることができます。さらに自家用倉庫の利用がはかれ、生産や販売との関連が円滑化、効率化するという利点も生まれます。

倉庫業者は出保管を行うと、その倉庫保管貨物について、一般の寄託貨物と同様に、倉庫寄託約款によって保管の責任が生じ、倉荷証券を発行することになります。そのため、出保管を引き受けるに当っては、その倉庫が営業倉庫として認可を受けるに適しているか、相手の信用状況はどうであるか、Bの倉庫の位置、環境、施設などが管理するに.適しているか、などについて十分検討しなければなりません。